大学後期も終わり

 昨年12月から今年にかけて結構忙しかった。急に一息ついている。案件が急にばたばたと片づいたこともあるが,大学が休みに入ったことも大きい。

 大学は試験監督で一昨日に行ったのが最後。次は学生が新しくなって,4月からである。
 昨年から試験監督回数が増えた。自分の試験2科目(あと1科目はレポートにしている)プラス他の先生の試験監督補助が4科目。経済など私の専門外だったのだが,試験問題を見たらどれも難しく,勉強しないと解けないと分かった。方式も先生によって,論述式,穴埋め,○×,はてはマークシートなど,まちまちである。
 ちなみに私はずっと論述式を通している。各1問(1時間)。
 春期,持ち込みをすべて可にしたところ,やたらと書き写す答案が多いのに閉口,今回は一転,持ち込みは一切不可にした。ただし,最後の講義2回の冒頭,問題を板書し,その際ついでに回答まで大体喋るから,書けないはずはない。
 採点は一大仕事である。1年刑法総論(必修)が400枚弱,2年刑事訴訟法(選択)が200枚弱。大変なのだが,学生のレベルもよく分かって,大いに参考になる。法律というのは論理力であり,その基礎は日本語力なので,結局は日本語能力の高い人が出来る。それは一読して面白いほどに明瞭である。よく出来るのも何人かいて,嬉しくなる。
 あとレポート約150部(2年刑法総論特講)の採点を残すばかり。
 
昨秋あたりからセカンドオピニオンを求められることが増えてきた。医者の世界ではすでに当たり前のことである。
 いわく,今弁護士がついているが,どうにもおかしい。頼りない。なんだか変な感じである……。
 その弁護士が作った書面を読む。よくよく聞いてみる。たいていの場合,その弁護士は普通である。ただ顧客への説明が不足しているのだ。あるいは人間同士なので,単に相性が悪いということもある。
 そう説明をして,よほどの理由がないかぎり,弁護士は替えないほうがいいと説得する。着手金も無駄になるし,対相手方・対裁判所ともに心証は悪くなる。そして実際に弁護士を替えたから白が黒になるとか,取れる額が倍になるなどというような魔法は起こらない。もし自分が受けたらそうしましょうと言う弁護士がいるとしたら,眉唾である。医者もそうだが,あまりに口の滑らかなのは疑ったほうがいい。
 私が悪い弁護士だったり,お金に困っていたりしたら,相手が素人であるのをいいことに,その案件を引き受けるかもしれない。相手は最初から替えたいと言っているのだし,お金はいくらでも払うと言っているのだから。だが良心的な私は,相談料だけでいつも終わる。金儲けにはならないが,人助けにはなっていると信じている。

 さて,安倍内閣。柳沢厚生労働大臣の辞任は不可避な状況となっている。柳沢さんは論理明快,とても頭のいい人なのだが,一体なぜこんなつまらない失言をしたのであろう。あるいは単に語彙が乏しいのであろうか。残念なことである。安倍首相も危機管理能力・決断力のなさをだんだん露呈している感がある。

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