『夫の遺産である自宅を息子の単独名義にする提案が・・・』

自由民主党月刊女性誌「りぶる11月号」
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民進党の一気解体に思うこと

事実はまさに、小説より奇なり。野党第1党があっという間に、新興の党に飲み込まれてしまった…! 歴史のある上場企業が、財産もノウハウもない駆け出しの会社に身売りして吸収合併されたようなものだ。「希望の党」がその代表者を若狭氏でも細野氏でもなく、小池氏にすると発表したとたん、民進党代表前原氏は「名を捨てて実を取る」と、自分を除く全員が希望の党で立候補するとして、両院議員総会に諮り、了承されたのである。

前原氏は先の代表戦で、今回の事態を公約に掲げてはいない。つまり党の全権委任を受けて小池氏と交渉をしたわけではないのだ。ただ事後的に両院議員総会で了承されたことによって正当化されたことになるのだが(代表戦は国会議員票だけではなく地方票も一定数あるので、本当はそちらの意見も聞かなければならない)、その後大変な事態になっていることは報道の通りである。希望側の説明が足りなかったのか、あるいは前原氏の早とちりなのか、いずれにせよ、希望は民進党全員の公認など「さらさらない」、自分たちの政策に合致するかどうか選別すると言い、現に選別作業が進んでいるというのだ。

となれば、民進党の両院議員総会での了承は「錯誤」に基づくものであり、無効というべきなのだ。その手続き全体を知りたいものだが、そもそも民進党は参院は残っているし、地方議員は全国にいて、組織の隅々まで支部がある(なにせ野党第一党の老舗である!)。それらの扱いはどうなるのか。民進党が解党にはなっていない以上、代表は未だ名目前原氏であろう。政党助成金は解党になれば国庫返納だが(であるので解党はしなかったと思われる)、どう使うことになるのか。

詰めの甘過ぎる前原氏については、その責任をどれほど追及しても足りないが(何年か前の永田メールを思い出した)、とりあえず今民進党の候補者にできることは、希望の党に公認して貰えればそれでよし、希望に公認拒否されるリベラルメンバーは新党を設立するとのこと、それでやっていってほしいと思う。党の崩壊は誰も予想せず、候補者自身の責任ではないのだから、公示日が10日に迫ったこの時期に未だポスターも刷れない、街頭の幟も立てられないというのでは、なんとも気の毒としかいいようがない。

希望の党は、改憲OK、安保法制OKである。つまり、自民党と何ら変わらない。消費税凍結と原発ノーが変わるが(他にもあるのだろうが)、後者は小泉元総理の支援を得るためにとってつけた感が強い。つまるところ、二大政党といっても何の相違もなく、自民党の対抗軸にはなりえない。民進党は長く安保法制断固反対で戦っていたのに、希望に入るためにそれをいとも簡単に捨てるのだろうか。政治の軸には革新系が必要である。

肝心の小池氏は衆院戦に出るのか否か(都知事を辞めるのか否か)。都議選の時とは違い、衆院選の党代表は首班指名者、すなわち首相候補である。議員でない名目党首では国会での党首討論も出来ない。だが、おそらくは出ないのではないか。民進党が割れる今の状況では、過半数を上回る公認は難しいし、結果として当選者の過半数は無理だろうからだ。となると、国政に出ても鶴首する首相にはなれず、国会に戻る理由が見いだせない。もちろん首相になれる確率は数字的にはゼロではない。希望が過半数に達しなくても維新と組むなどして超えればよいが、ただ現実問題として、参院は自公で過半数を占めており(いわゆるねじれ)、国会運営が出来ず、短命の内閣に終わるであろう。

ここは筋として、小池氏にはきちんと都知事の任期を全うしてほしい。何度も金銭スキャンダルで都知事が変わった後、都民の多大の期待を担って知事に就任して、まだ1年少し。豊洲・築地も問題にした挙げ句結局膨大な費用の積み上げを残している今の状況では、無責任のそしりを免れない。反対に知事としての実績を残せば、バブルではない正当な評価もついてきて、小池氏を首相にという声も出てくるだろう。どこの世界でもそうだが、ことに政治に「言うだけ番長」は不要である。あるいは、リベラル(と共産党)を切ろうとして、いわば確信犯的にこういうやり方で、党を解体させたのかもしれないと思えてもくるのだが…。

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大相撲秋場所が終わって

最近は有難いことに(?)大相撲熱もかなり醒めているのだが、秋場所は久しぶりに観戦に行ったこともあり、賜杯の行方にはそれなりの関心を持っていた。3横綱2大関の休場とあっては、平幕優勝も十分ありえた。

横綱日馬富士が11勝で9度目の優勝(直近は昨年の名古屋場所)。満身創痍の彼は、序盤平幕に連敗、休場も見込まれたが、横綱なしでは横綱土俵入りもなくなる、協会に頼み込まれたとの噂もあったが、人一倍の気力と責任感で持ち直したと見える。3差で先行中の大関豪栄道が終盤平幕に連敗、1差に迫ったのを、千秋楽の直接対決で破り、優勝決定戦でも連破した。低い体勢からの立ち合い、一気に相手を持っていく速攻はまさに日馬富士の、全身全霊で取る相撲である。それはそれは見事な横綱相撲だった。気の毒だが、豪栄道ではとうてい太刀打ちできない。稀勢の里もこの速攻にやられて、春場所、大けがをしている(復帰できるのだろうか?)。

場所途中、人気の宇良も膝をやられて、休場した(復帰できるのだろうか?)。横綱・大関、人気者を欠いても満員御礼だったのは僥倖だが、この調子では長期的に見て、いずれ人気は陰るのではないか。折しも、元十両力真が21歳で引退を表明した。年を取っての引退もさることながら、若い人の引退にはことさら胸が痛む。膝がもうどうにもならない状態だそうだ。中卒後6年、相撲こそ我が人生と打ち込んでいたのを、どんなにか無念なことだろう。腐らずに、次の人生にどうか踏み出して行ってほしいと願うばかりである。

力士と怪我は切っても切れない関係にある。常に怪我との闘いである。裸だし、土俵は高いし、お互いに重量だし、怪我をしないほうが不思議なくらいである。前途有望な力士がいつの間に消えていると思ったら、大けがをして下位に転落していたとか引退に追い込まれたという例は、多い。怪我をしない体作りを、協会は、各部屋・親方任せにせず、一体になって考えていかねばならないし、場所中の怪我を公傷扱いにして、番付が下がらないようするなど(以前そうしていたことがある)考えていかねばならないのではないか。もともと力士は他のスポーツと比べて、現役生命が短いのだ。それをさらに怪我でもっと短くさせては、有望な若者、いえその親が息子をあえて相撲には行かせないのではないか。

さて、来場所の展望。協会は、鶴竜の処遇を親方任せにはせず、きっちり引導を渡すべきだ。横綱は3人で十分。照ノ富士が関脇に転落するので、大関は豪栄道・高安の2人となるが、高安はカド番なので、勝ち越せなければ、初場所で関脇転落だ。となると大関は、1人(照ノ富士が来場所10勝できれば初場所大関に戻れるが、膝が大変悪く、難しいように思う)。大相撲は横綱がいなくても成り立つが大関は東西2人必要だと聞いたことがある。だが、関脇以下の力士で大関に昇進できる力士は、残念ながら、見当たらない。三役の地位にあって直近33勝以上が一応の基準だ。関脇御嶽海に期待していたが、勝ち越しがようやくで、2桁勝利にはまだまだだ。21歳阿武咲が入幕3場所連続10勝の記録を作り、来場所小結に昇進するが、そこが大関とりの起点であり、まだまだ先がありそうだ。横綱を4人作っても機能しない現実を前に、協会には展望を踏まえた対処が望まれるところである。

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衆院解散について考える

急に、解散が決まった。もとより従来、10月22日の衆院補欠選(愛媛、青森、新潟の計3区)時に総選挙をやれば与党有利との説は流れていたし、それはそうだろうと思っていた。とはいえ、北朝鮮の挑戦行為が現実にあるこの時期、40日間もの政治的空白をあえて作るようなことはしないだろうと踏んでいた。諸外国も驚き、理解はしないだろう…その読みが外れた。

まもなく28日に始まる臨時国会の冒頭で、衆院を解散するという。一切の審議もしないまま、解散をするためだけの国会である(閉会中の解散はしない)。国民にどんな信を問うというのか。何かそれらしい理由を拵えるようだが、審議した形跡はなく、とってつけた理由となる。もちろん、大義名分がなければ解散が出来ないとは憲法に書いてないし、どころか、解散権の根拠を天皇の国事行為を規定した憲法7条に求める以上、行政権としての内閣の権限であり、つまるところ総理大臣の腹一つで決まるのだと考えて、誤りではない。この臨時国会では例のモリカケ問題が俎上に上がる予定だったうえ、前原民進党は離党者続出で息も絶え絶えだし小池新党結成も緒に就いたばかり…自民党の獲得議席数を最大にするのは「今」であり、その後は下がるのみだとの読みも、おそらく間違ってはいない。

それでも、だ。解散には反対である。大義名分がなく議席数狙いが見え見えであることを置いても、これまでもずっと解散をし過ぎだと感じてきたのだ。憲法で定められた衆院の任期は4年なのに、実際は平均して2年9ヶ月。この前の総選挙は2014年12月、その前は2012年12月だった(いわゆる魔の2回生の当選)。制度としての議院内閣制に解散は付きものではあるにしろ、議院内閣制をとる他の国と比べても圧倒的に日本は解散が多く、実際の任期が短いのである(例えば、イギリスは任期5年で、解散には下院の3分の2以上の賛成が必要となり、実際の任期は平均して4年ほどある)。いわく「常在戦場」…議員は選挙区に精力的に帰らねばならず、腰を落ち着けて勉強をする大事な時間がないと感じてきた。特に選挙区の基盤が弱い新米の場合は(世襲でもない限り)「君たちの仕事はただ1つ、次の選挙に当選することだ!」。この点、6年の固定任期のある参院との差はあまりに大きい。

今の時期の解散では、国民の選択肢が、ない。安倍さんは強引だし傲慢だ、自民党は嫌だという人は周りにたくさんいるが、はてさて、じゃ民進党に入れるかと言えば、答えは一様にノーである。以前の民主党時にそれは手ひどく懲りた、あれらには任せられないという人ばかり。小池新党への期待も思いの外に薄く、知事選・都議選での圧勝は、彼らへの積極的な支持というより、反自民の受け皿だったのだろうと思わされる。入れる党・人がなければ選択肢はやむなく棄権であろう。投票率半数割れの過半数なんて、得票数は30パーセントにも満たないのである! 民進党がどれほど持ち直すか、新党がどれほど出来上がってくるか、どちらも期待薄ではあるとしても、衆院の任期は来年12月まである。待ってほしかったと思う。

さて、暴言の豊田議員が記者会見を開いた。順序としてはその前に支持者たちに釈明をすべきだった。無所属でも出たいようだが、自民党は候補を立てるはずである。山尾議員の選挙区には民進党は候補を立てないようだが、支持者の理解を得られるとは思えない。不倫云々もさることながら、党にとって大事な時期にこんなバカげたことをしでかして、その危機管理のなさは絶望的である。自民党の重鎮谷垣氏は自転車事故のリハビリが間に合わず、引退を表明した。魔の2回生たちにとっては3回生になれるかどうかの瀬戸際選挙となる。悲喜こもごもの結果にはそれなりのドラマはあるだろうが、しかしそれを楽しもうという気にはなれない。

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映画「三度目の殺人」レビュー

(朝日新聞2017年9月15日付)
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