永田町はどうなっているのだ

 4月に入って,大学が始まったうえ,事件受任が重なり,ばたばたしていた。今日ようやく一息ついている。
 例年にない異常気候で,寒暖の差が激しいうえに降水量も多く,先週末ついに,今期一度も引かなかった風邪を引いてしまった。とはいえ幸い熱も出ず,休むことなく,スケジュールに穴を開けることもなく,ほっとしている。明日から連休に入る。

 この1か月,世間でも何やかやといろいろなことが起こって,めまぐるしい。
 とにかく政権の迷走がひどい。ひどすぎる。国の意思の決定プロセスが分からない。司令塔もなければ責任の所在も不明で,各大臣がてんでばらばらにアピールをするばかり。子ども手当や高速道路料金問題といった各論もひどいが,安全保障は国の基本なのである。米軍をここまで迷惑者扱いをしていて,いざ有事となったら頼む,と言われても,頼まれるものこそいい迷惑であろう。甘えるのもいい加減にしろと言いたい。それとも「有事はない」という前提に立ち,日米安全保障条約は破棄する腹でもあるのだろうか。自衛隊で守れる範囲でなんとかしようというのか。それとも憲法をついに改正して,自前の軍隊を持つのか。何をどうしようとしているのか,さっぱり分からない。とにかく不安である。
 昨年の総選挙前によく言われた。「自民党には不満,民主党には不安」と。そして,国民がとにもかくにも政権交代(オバマ大統領のスローガン「チェンジ」も大きく影響しただろう)を望んだところが,ここまでひどいとは誰が想像していたであろう。私の周囲もみな,もはや怒りを通り越して呆れ果てている。

 ここに来て,急に検察審査会が脚光を浴び始めた。鳩山さんの不起訴は相当とし,小沢さんのは「起訴相当」とした(「不起訴不当」よりも重い)。これを受けて,検察は再捜査をする。結果,あるいは起訴をするのかもしれない。もしまた不起訴にしても,きっと検察審査会は再度「起訴相当」の議決をするであろう。なぜならば,小沢さんの錬金術は許せないと考えるのが法律を超えた庶民感覚というものだから。そして,昨年裁判員裁判が施行になるとともに検察審査会の機能が強化され,二度「起訴相当」の議決をすれば,指定弁護士が検察官になって起訴をすることとなった(検察の起訴権限独占の例外となる。)。いずれにしても小沢さんもこの政権も,窮地に追いやられていることは間違いがない。

 民主党の自滅はすなわち,自民党を利するはずであった。ところが自民党の支持率は上がらない。それはそうだろう。総裁が頼りない,執行部刷新をと仲間割れをし,結局すでに10人以上が離党し,新党が2つ出来たくらいなのだから。
 しかし,素朴な疑問。皆で選んだ総裁をなぜ盛り立てて,助け合わないのだろうか。谷垣さんは谷垣さん,別の人にはなれない。彼はもともと温厚であり,攻撃型の人ではない。そんなことは分かっていて,みなで選んだのだ。それでいて協力をしないというのでは困る。みな大人になってもらわないといけない。
 問題は,政治家が,この国の将来ではなく,次回の選挙だけを視野に入れ,選挙に勝つことだけを考えていることにあるような気がする。

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