執筆「勇気と感動を呼ぶ生き方。 夢を追って「一所懸命」に生きる。」

 記録的な猛暑の夏だった。
 例年私はお盆を、尾道の実家で過ごす。家族がテレビを見るので私も見るが、家ではニュース以外ほとんど見ないので、どの番組も新鮮だ。
 山岳事故で両脚麻痺になりながら、オーストラリア大陸を車椅子で縦断した、若い女性が出ている。不屈の意志で大勢の助けを得、砂漠や坂、山をも乗り越え、床擦れにも耐えて、数ヶ月をかけて完走。その後パートナーを得、子どもにも恵まれた。また、女優の夢を捨てず、ついに台詞入りの役を勝ち得た聾唖の若い女性も出ている。たった一言とはいえ、発語が聞こえないのだから、大変な努力の賜だ。頑張って、大成してねと祈らずにいられない。
 彼女たちは、愚痴や恨み言を決して言わない。常に前を向き、明るく、謙虚である。そうした生き方が人を感動させ勇気づけ、この人のために何かをしてあげようという気にさせるのだろう。
 盆休みが明け、私は大学でのオープンキャンパスに初めて参加した。入学希望の高校3年生を対象に面接体験を実施するのである。
 小学教師志望の男子は、問題児だった自分を常に庇い、救ってくれた教師に家族一同心から感謝していると言う。懸命に言葉を紡ぎ出しながら、小学校教師になりたいと言う聾唖の女子もいる。法学部に行って資格を取りたいと言う女子は笑いが絶えず、聞くと「両親が大好き」。
 どの子もひたむきだ。一生懸命という言葉が浮かぶ。もと一所懸命。封建時代、賜った一カ所の領地を命をかけて守ったのである。そう、私ももっと一所懸命にならなくちゃ、そんなことを思わされた。

自由民主党月刊女性誌

『りぶる』
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