執筆「「笑う門には福来たる」 幸せな笑顔は、多くの幸せを運ぶ。」

 悩みがないのだろうとよく言われる。私に会うと元気が出るとも言われる。大きな声で喋り、よく笑うからであろう。ありがたいことである。
 もちろん人間だから悩みはあるが、楽天的な性格のお陰で、深く落ち込まずに済んでいる。これがもし悲観的に生まれついていれば、どれほど大変なことか。人の持って生まれた性分は、その適性や能力と同様、努力次第で簡単に変えられる類のものではない。
 幸いネアカの私だが、近頃はやはりそれなりにストレスを感じることがある。仕事が仕事だし、一人でやっているから大変なのである。そんなときはたいてい、悪いことが重なる。普段だと簡単に乗り切れることが、思わぬ障害になるのである。最悪の場合、私は誰にも必要とされていないとまで思い始める。これで根が弱ければノイローゼになったり自殺したりするのだろうなと理解ができる状態である。
 負の連鎖を断ち切るために、どうするか。試行錯誤して、意外と簡単な方法を会得した。親しい人を誘って食事をすることである。美味しい物を食べて笑っているうちに、旺盛な食欲も、ネアカの私も戻ってくる。人は人によって傷つき、それでいて人によってしか癒されない存在なのであろう。そう思っているとき、哲学者ニーチェの言葉に出会った。
「幸せであるためには幸せでなければならない」
 言葉は違うが、そんな意味であった。悩んだ顔、苦しい顔は人を遠ざける。幸せをよぶためには自らがまず幸せであること。トートロジーのようだが、真理である。
 そう、「笑う門には福来たる」。それが今年のモットーである。

自由民主党月刊女性誌
『りぶる』

カテゴリー: 執筆 パーマリンク