地に墜ちたモラル

 このところばたばたとしていたが,昨日ようやく一段落し,今更新している。あまり更新もしないのに定期的に見てくれる方が結構いて,ありがたい。
 いつも思うのだが,弁護士稼業には波があるので,やれることは早めにどんどんやり,常に仕事を溜めない状態にしておかないといけない。その上で余暇があれば十分に楽しんでおくことである。それがまあ,人生の極意にも通じることかもしれない。
 
 さて,巷では事件が続き,何が何やら分からないほどだ。
 前に書いた,奈良の医師一家放火事件に関する秘密漏洩については,医師のみが逮捕・起訴され,そそのかした肝心のジャーナリストはおとがめなしとなった。地検は身分なき共犯として彼女をも起訴をすべく努力をしたはずであるが,法の間隙を縫った形になったのだろう。気持ちの悪い結果であった。もちろん,遺族や当の医師から民事訴訟を起こされるのは別として,真の意味での正犯が刑事的な処罰を免れたわけである。
 大相撲の「傷害致死」についても未だに逮捕がなく,一体何がどうなっているのか,さっぱり分からない。これもまた,気持ちが悪い。

 法務大臣の放言もひどい。死刑執行も大臣のサインは要らないようにしたいと言っていたかと思うと,あろうことか外国人記者クラブで堂々と?「友人の友人がアルカイダ」と来た。こういう人に法務行政を任せておけるか,と誰もが思う。

 東大法学部を優秀な成績で出たと聞くから,頭はいいはずだが,それと常識とは残念ながら別なのであろう。会合で人が挨拶しているときに大声で私語を喋っていたし,兄貴の悪口を延々と喋り続けるのに閉口したこともある。
 前首相といい,なぜこうも永田町には空気の読めない人がいるのか。せめて常識のある人でないと政治なんかやれないはずなのだが,やはり世襲に問題があるのであろう。

 さて,守屋。

 異例の4年も事務次官をやり,度外れた権力欲とは知っていたが,実態は想像を遙かに超える。関係業者と週1度の割でのゴルフ,夫婦での偽名,接待。部下との間での不透明な多額の金員のやりとり。これからもいろいろと出てくるのであろう。こんな人に大事な防衛行政が委ねられていたのだと思うと,空恐ろしい。
 これはひどすぎる事例だとしても,どこの省庁も,あるいはどこの地方も公務員は似たり寄ったりだと世間はすでに思っている。規範はいったん緩みだすと限りなく緩む。範になるべき公がこれなら,私の規範が緩むのは致し方がない。食や安全の各種偽装は当然の結果であるように思われる。
 モラル低下。なぜこうも地に墜ちたのか。ノーブレスオブリージ,地位ある人にはそれだけの義務がある。昔は,地位ある人は自らの襟を正し,人に後ろ指を指されないよう,社会の範たるべきよう,清貧であろうと努めていた。それもこれも教育なのだろう。
 とにかくこんな状況では,子どもたちにちゃんと大人を見習って成長するよう言えないのがいちばん辛い。
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