『運動脳』の感想など

 3月に入って1週間が経った。この間予期せぬことも起こったりして、バタバタしていたが、今日は金曜日である。金曜朝に目覚めるときはとても嬉しい。今日一日を乗り切れば明日週末なのだから。窓から外を見ると、懸念されていた雪は降っていない! 雪予報が外れたのだ。ああ、なんとラッキーなことだろう。今日はまもなく大学に出なければならないのだが、もし雪だったら大変だった。

 知人から強く勧められていた『運動脳』(アンデシュ・ハンセン著)をようやく読んだ。著者はスウェーデンの精神科医である。基本的に脳に関する話なので専門用語も頻繁に登場するのだが、そこいらはさらっと流して要約すれば、脳を健全に保つためには「運動すべし!」。人間の体は脳を運ぶための容れ物に過ぎない。鬱病に対して、抗うつ剤を飲むのと変わらない効果を運動はもたらし、認知症や老化を防ぐのも運動である。筋トレではなく、いわゆる有酸素運動だ。少しのジョギングで良く、ジョギングが難しければ歩くことである。散歩をすると体も脳もリフレッシュする。起案で煮詰まったときに事務所近くの千鳥ヶ淵をよく散歩したが、その折りにいい案も浮かんで、新鮮な気持ちで起案が出来たのは実証済みである。というわけで、とくに目新しいわけではなかったが、人類の長い歴史からの解き明かしや歴史上の偉人らの話も盛りだくさんで、教養書としてもお勧めである。とにかく歩くこと! 運動嫌いなのに幸い歩くことは好きなので、タクシーにはついぞ乗らないため、無駄なお金もかからず、一石二鳥である。

 ところで、昨夏の例の自民党女性局事件のとき、同行者であった弁護士出身広瀬めぐみ参院議員のことについても触れたが、この度やってくれました! 週刊新潮に不倫記事が掲載されたのである。男との写真は昨年10月に撮られたものなので、世間を騒がせたその事件から何ほども経っていない。そのことにまずは呆れた。この方、反省とか恥とか、きっと無縁に生きてこられたのであろう。写真を撮られたのがまずかっただけで、何が悪いと未だに思っておられるように思う。赤いベンツを自ら運転して、ひときわ背の高い外国人と堂々と2人で歩いているのだから、見せびらかしたかったのかもしれない。不倫をやるならば、せめてこっそり、見つからないようにやらなくては。それが社会のルールというものである。「秘すれば花」と世阿弥もおっしゃっておられる。

 この件に関して、不倫は犯罪ではない、夫が許したのなら周りがとやかく言うことではない、と某コメンテーターがのたまっていたが、それは違う。姦通罪は戦後刑法から削除されて犯罪ではなくなったが(韓国ではわりと近年まで残っていたし、イスラム圏では未だに立派な犯罪である)、違法ではあり、だからこそ離婚原因になるし、慰謝料請求原因になるのである。要するに違法にはレベルがあって、犯罪とされるのは最も違法のレベルが高いだけである。この方、弁護士なのだから、まさかそんなことを知らないはずはないだろう。このコメンテーターにお聞きしたい。お金を借りて返さないのは盗んだのではないから犯罪ではないのですが、そうしたらそれはいいのですかと。もちろんダメだというであろう。債務不履行は立派に損害賠償の対象である。姦通罪が未だに犯罪である国があるのと同様、債務不履行が犯罪の国は普通に存在しているのである。

 もちろんこの方が一般人であれば、写真週刊誌も寄ってはこなかった。公職故なのである。そして公職にあることを本人が自覚して身を引き締めなくてどうするというのだろうか。かつて公職に就いたことがないので分からない、今回国会議員になったのが初めてなので…なんて寝ぼけたことを思っているのだとしたら、即刻辞職すべきである。あまりに軽すぎる。同じ弁護士としても情けなさすぎて、言葉もない。

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