ヨーロッパ情勢から目が離せない

総選挙で敗北したメイ首相にはまさに「泣き面に蜂」だっただろう。ロンドン中心部の高層マンションから夜中に発火、瞬く間に各階に飛び火。大挙出動した救急車のホースも高くて届かず、恐ろしい数の死傷者が出る大惨事になった。鉄骨なので本体は残っているが、中が無残に焼け落ちた、衝撃的な映像。こんなことがあるのだ…。シリアから逃げてきたという住人が同居者を失い、「安全な国に逃げてきたのにこんなことになって」と泣いていた。

建物は、低所得者対象の公的住宅なのだという。未だ原因は明らかになっていない。防火対策が不十分であるとの陳情がいくつもなされたのに当局が無視していたとか、最近外壁工事を行ったが安い防火素材ではないものを使ったからだとか、いろいろなことが言わてれている。つまり「人災」の感が強いのだ。パキスタン系のカーン市長や労働党のコービン党首は現地に赴き、遺族や住民と痛みを共感したが、メイ首相は消防隊や救急隊の人たちと話しただけだった。そのことに国民の怒りが沸騰して支持率はさらに急落、退陣を求めるデモまで出て、すごい騒ぎになっているという。メイ首相にはたしかに人間的な温かみが欠けているように思える。常に上から目線で、この事態を首相としてどう抜かりなく対処すべきかという視点しかないのであろう。しかし、被害者も自分と同じ人間なのだから、まず必要なことは共感であり、その上にこそ対策対処があるはずだ。

信頼なくして、政治家失格である。間違いなく、メイ首相はもたない。あとはいつ、どういう形で辞めるか。こうなれば総選挙で負けた時に潔く辞めておけば傷は最小限で済んだと思うが、時すでに遅し。この後どうなるか? 二大政党のいずれもが過半数に達しておらず、保守党は労働党に秋波を送り、挙国一致内閣を組むべく水面下で交渉しているらしい。まさに何でもあり。間違いないことは、イギリスがますます混迷を深め、いつそれから脱却することが出来るのか、または出来ないのか、読めないということである。

片やフランスでは、マクロン大統領が議会での信任も得て、マクロン派議員が過半数を超えることが明らかになった。これでマクロン氏は外交でも内政でも思う存分に大なたを振るうことができる。国民は39歳の若い大統領に国の未来を懸けたのである。ドイツではメルケル首相の再選が確実ならしく、WMコンビがヨーロッパを引っ張っていくことになる。表向きはどうあれ、フランスにとって、イギリスのEUからの脱落はきっと嬉しいことだろうと思われる(両国の複雑な歴史について書いた、英仏の歴史家夫婦の著作「That sweet enemy」を注文した)。

さてこの1ヶ月半、思い立って家飲みを止めているが、まったくもって大丈夫である(びっくり)。甘い物のほうは一時止めていたが、こっちは結構辛く、結局、就寝前に食べるのだけを止めた。昨夜はその誘惑に駆られたので、寝ることにし、その分朝早く起きたのでワールドニュースを聞くことができた(ポルトガルでの山火事は100人近い死者が出るそうだ)。またお弁当も作って、早めに出勤。時間が早いとその分通勤客が多く、皆さん大変だなと思う。いずれにしても、早起きは三文の得である。このままずっと朝型でいよう。

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