不祥事検事の処分、熊本の大地震

 西田将仁は当然ながら懲戒免職処分になった。上司2人が監督責任で軽い処分になったが、検察庁は本当にそれだけで済ませるのだろうか。

 問題の相手女性は、3年前の江東区区長選挙を巡って木村弥生区長及び柿沢未途衆院議員(当時)らが公職選挙法違反に問われた事件について、特捜に情報のたれ込みを行った女性だと言われている(実名もある程度の経歴も知っているが、ここでは述べない)。自ら40万円のお金を貰ったことで被買収罪に問われたが、実名は披露されず、そもそもその額で略式20万円で済むのは安すぎる(略式は100万円まで可能であり、昨今選挙事件はどんどん厳しくなっている)。主任検事だった西田某が特別の便宜を図ったであろうことは容易に察せられるのだが、決裁官である上司は何をしていたのか。未だに裁判所で争われている事件もあり、被告人の弁護人が「西田とその女を証人請求する。検察庁には第三者委員会を設けるべく要求する」と述べていて、どんどんやってほしいと思う。

 略式請求が確定する前に、西田は女から電子マネー5000円分を貰ったという(せこい!)。あと高級時計やワイヤレスイヤホンも買わせ、2年ほど続いたという情交関係(=これ自体が賄賂になる)の際にホテル代や食事代など払わせていたとしたら、かなりの金額になるのではないか。検察は身内にこそことのほか厳しく臨むべきである。こんな検事がやはり主任検事だった、例の「裏金事件」ではほとんどの事実で無罪になった元参院議員もいる。こんな検事に起訴されたのでは、とうてい納得はいかない。もともとが捻れている人間が描く「絵」(特捜では筋立てを作ることを「絵を描く」という)がまともであるはずはない。西田は妻子がいながら、水戸地検時代の同僚だった元検事の女性(現弁護士で子持ち)と同居し、表札に「西田」と出し、愛車のBMWが停まっていると週刊誌に書かれている。とにかく呆れた話のオンパレードである。

 検事時代、何人か人間的に素晴らしい先輩検事と出会った。有り難いことに今でもその方たちとは親しくしているが、そのうちの一人と先日電話でお話をした際、「やあ、あれはひどすぎるね」と絶句しておられた。死刑相当だと思うと(もちろん収賄に死刑はないが)。「しかし上司は何をしていたのだ!」。妻以外にも女がいる男はいるだろうが、検事には絶対に許されない。人一倍自らを厳しくしてこそ、権力をバックに強権を奮えるのだからと。世間の信用なくして検察は成り立たないのだが、これからは「事件関係者と食事をしてはいけませんよ。もちろんホテルに行って男女関係を持つのはダメです」といった各論レベルで教育をしないといけないのだろうか。ああ、情けない…。

 だいぶ前に大阪地検特捜部の不祥事(厚労省局長絡みでこれは犯罪であった)が出たとき、検察庁は解体的出直しを叫ばれた。その頃やはり尊敬していた元先輩検事に、弁護士になった娘さん二人は検事にしようと思わなかったですか?と聞いたとき、彼は静かに首を横に振った。「あの事件が明るみになる前から、僕は検察庁内でああした気配を感じていたから…」と(その後スキルス性胃癌で亡くなってしまわれた)。昨今不祥事はどんどんと数も増え、もう驚かなくなってしまった。立場を与えられて、自分は偉いと勘違いするのだろうか。もともとの人間が出来ていればそんな勘違いは生じないが、教養も素養もない人間が権力を与えられると、勘違いが生じるのかもしれない。周りが真っ当だと自分がおかしいと気づくだろうが、周りも似たような人間ばかりになると、間違いに気づくこともないのであろう。怒鳴りまくっている取調べ記録が裁判所で流れても当の検事たちは平然としていたというから、いっかないつの間にか慣れてしまっているのであろう。恐ろしいことである。

 尊敬する先輩検事の一人が検事長で退官後、郷里の熊本に引っ越されたが、それから二度の大地震などが起こった。それまでは熊本は安全な都市を謳っていたのだが、シンボルの熊本城も倒壊し、修復途上で、この7月28日また大地震である。その日の朝熊本の知人から相談の電話があり、その人のことも心配していたのだが、北部は大丈夫だという。八代市など南の被害が大きいとのこと。先輩のことを案じていたが、「大丈夫」との連絡が入り、ひとまずほっとした。ただ、今春弁護士登録を抹消したとのこと。何かあれば真っ当なその方に熊本の事件を頼もうと思っていたが、それは出来ないことになった。

 酷暑である。熊本ではライフラインが停まった所も多く、熱中症で亡くなった人もいる。どうかお体第一に、苦しいけれどもどうか乗り切って頂きたいと切に願うばかりである。来週はお盆休みであるため(いろいろすることがある)、最後にブログを書きたかった次第である。

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