選挙戦

  公示日の昨日(ちなみに、衆院総選挙及び参院通常選挙は「公示」、その余の選挙は「告示」)、私は党本部から頼まれ、千葉の新人の応援に行った。なにせ昨日は、代議士全員にとって初日。他の候補の応援になぞ行けようはずはなく、前議員の私に白羽の矢が立ったらしい。
  午前11時の駅前街頭に始まり、市内6か所で街頭演説(夜は予定があったので失礼した)。思い起こせば、昨夏の参院選以来だ。そもそもの最初は7年前、自ら参院選に出馬したとき。新宿アルタ前に集まった大群衆を前に、初めて街宣車の上に乗った。いざ上がると、その高いこと!! 
  幸いそう上がらなかったのは、中高校時代、演劇部に在籍した故かもしれない。もっとも演劇では台詞を覚えればいいが、演説には台詞がない。骨子は決めても細部は、前の演説者が喋った内容、また聴衆を見て、臨機応変で変えることになる。内容と喋り方。その両方で聴衆を魅するのは非常に難しい。
  外国では演説の上手な政治家が多いが、日本ではほとんど見かけない。

  それにしても、選挙に要するエネルギーたるや!! 町会議員・市会議員レベルでさえ、支援者を募り、スタッフを集め、考えるだけで気が遠くなりそうな作業を積み重ねる。まして、国政レベルでは金も体力も気力も、一体どれだけ要るだろう。是が非でも政治に携わりたい(動機はともかくとして)との強烈な熱意なくして、絶対に出来ないことである。
  そう、それが出来ない私は、脱落した。最近ますますシンプルライフ志向の私は、寝っ転がって本を読んでいるときが至福の時だ。実に安上がりだと友人に言うと、私はもっと安上がりだとの答えが返ってきた。寝ていれば至福だからと。まだ30代半ばなのに!!
 選挙は戦争である。戦争での実弾が、選挙では金。勝つか負けるか。勝敗ははっきりしている。
  私なぞ、別に落ちたら落ちたでいいじゃないか、それだけが人生じゃなし、命まで取られるわけじゃなし、と思うが、国会議員でなくなる恐怖たるや想像を絶するものであるらしい。政治家を一家郎党家業にしている議員が結構いる。自民党では雇用者15人ほどは普通だから失職は恐ろしいことである。
  普通の引退ですら人間関係はぐっと狭くなるのだから、落選したら人が手の平を返すように去っていくのは当然であろう。もともとこうした関係には利害が絡む。人間、本当に信頼できる友人など生涯で5?6人いればいいほうだろうと私は思う。

 選挙応援をいくつか頼まれ、しばらく休みなしだ。頼まれる、頼りにされるというのは、なんであれ嬉しいことだ。

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