コロナ危機で世相が変わる

今月、ありとあらゆる行事が中止になった。毎3月は、着物を着る機会が10回はあるのだが、皆無である。4月もすでに中止が決まった行事が多く、着物を着る機会などないままであろう。週末も夜も家にいることが多くなった。私自身はすぐに慣れ、今や、読書したり(区立図書館を愛用している)、勉強したり、午後8時までは楽器演奏に勤しんだり‥こういう大人しい生活もなかなかよいなと思っているくらいである。もちろんそれは個人レベルの話であり、学校に行けない多くの子供たちを含め、社会として国家として、一日も早く終息してもらわないと困ることなのである。

降って湧いたような新型コロナウィルス。未だにその正体は不明で(2003年に流行したサーズの仲間と言われるが)、その災厄がどれほどのダメージを、社会的経済的文化的に、世界にもたらすのか、正確には誰も読むことはできない。ウィルスの威力は感染力と致死率で決まると言われる。エボラ出血熱は致死率50%だが、熱が出て症状が重くなってから感染するため人にうつるのを防ぎやすいが、一方、新型コロナは致死率は3%と低いものの、インフルエンザと同じ程度の高い感染力があるため、こわいらしいのである。重症になると肺炎になり、特効薬はまだ開発されていないので、対症療法しかない(体の免疫抵抗力次第)。となると、とにかく感染しないように気をつけるしかないわけである。そのうちワクチンが出来れば予防出来るはずだが、その開発には1年半かかるとも言われている。

日本では外出禁止令を出す法律もないが、イタリアやイギリスはじめ海外では、政府が外出禁止令を出し、これに反して市民が外を歩いていると、罰せられるらしい。生活必需品以外の店はクローズ(生活補償はされるらしいが)ときては、なんと恐ろしいことだろうと思う。日本では自粛で少し減ったとはいえ、市民が普通に歩いて普通に買い物をし、普通に生活しているので、対応が甘いと言われているようだが、今のところ他国と比べて死者は少なく、その理由は、よく手洗いをするといった衛生習慣に求められているらしい。

オリンピックはどうするのだろう、海外から選手も客も来ないし‥と案じていたら、このほど1年の延期が決まったようだ。2年の延期はないから(冬のオリンピックがあるし、その2年後はパリオリンピックが開催される)、最も妥当な解決策であった。だが冷静に考えて、あと1年以内で、本当に終息するのだろうか。それこそ誰にも読めないことだが、祈るしかない。

さて、河井案里参院議員の「組織的選挙運動管理者」に該当するとされる秘書が、買収(うぐいす嬢に法定超えの報酬計204万円を払った)容疑で広島地裁に起訴された。禁錮刑以上の刑が確定すれば連座制を適用され、彼女は失職する。選挙から今日まですでに8ヶ月、なんとまあ捜査も何もかもが悠長なことだろう。振り返って、参院議員会館での私の隣部屋にいた議員が選挙区選挙に当選しながら、秘書が買収(学生運動員にバイト料を払っていた)容疑で逮捕されたため失職したことを思い出した。選挙から3ヶ月以内だったので次点が繰り上げ当選になったが、なぜそんなに早かったんだろう?と改めて調べてみたら、秘書逮捕の時点で自ら議員辞職をしていたのだった(当選無効の裁判を起こされて確定したのはその後のこと)。まだ若い議員だったし、どんなにか残念だっただろうが、潔く立派であった。ペナルティとしては同一選挙区から5年出られないだけなので、また出てもよかったのに、政治の世界には戻っていないようである。

人間、引き際が肝心である。彼女も早くに自ら議員辞職していれば、人の見る目も変わっただろうに。夫である衆院議員共々、党本部から、1億5000万円という、通常候補の10倍もの入金がなされた事実も含め、共に公人として説明責任を尽くしてもらいたいと切に願う。

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