通常国会始まる

 今年になって、あっという間に1月も終わる。月日が経つのは実に、早い。来月に出す教科書(『誰にでも分かる刑法各論』)の最終校正、続いて大学の定期試験の採点(3科目500枚)も終わり、ほっと一息ついている。さすがに1月だ。このところ雪は降るし、とても寒い。とはいえ雪国とは比べるべくもない。ことに被災地の方々‥もうすぐ1年が来る。

 なのに復興も原発対応も進まない。いつのまにか国民一人当たりの借金額が1000万円になっていると聞いて、驚愕した。平均年収400万円かそこらで、ありえない額だ。個人であればとうに破産であろう。国ももちろん破産寸前だろう。予算なんて、各省庁部局の言うがままに膨らませていればいくらでも膨らむ一方なのだ。税収などで足りない分は借金で賄うという安易なやり方がこれまで借金(国債)を増やし続けてきた。家計であれば絶対にありえないことだ。その結果、消費税を上げるとか、年金支払いの対象者をパートにまで広く広げるといったことの前に、無駄をとことん削らなければいけない。国会議員の定数削減も歳費削減も、公務員の給料も減らさなければ。天下り先もなくすと言っていたのではなかったか。

 民主党もひどいが、自民党もお粗末だ。今国会、解散に追い込むのが唯一の目標と総裁が宣言したのには、呆れ果てた。そんなことのために歳費を貰って、税金泥棒だとは思わないのだろうか。党や政治は国民のため、国のためにあることがすっかり忘れ去られているらしい。自分たちがいざ政権を奪回した折には消費税など財政はどうするつもりか、国民に示さずして、老舗の党というだけで自分たちに票を入れてくると思っているのだろうか。国民はすっかり政治に絶望し、支持政党をなくしている。どこでもいい、きちんとやってくれる政治を望んでいる。昨夜たまたま、松阪の若い新市長(医師)が借金を確実に減らしているとのドキュメンタリーを見た。抵抗勢力の反対は大きいが、どこともしがらみがないので、どんどん経費をカットできるのだという。そうした人たちさえ出てきてくれれば、国民は間違いなくその人たちに政治を託すであろう。

 税金泥棒といえば、他人の卵子を使ってまで高齢で出産した某国会議員のことはひどすぎて、コメントすら不愉快だ。産みたいと言ったって、産めない人は大勢いる。人間には、したくても出来ないこと、諦めないといけないことが山のようにある。まして国会議員であれば全人生、全生活を国のため国民のために捧げる覚悟が必要であろう。国民から託された歳費・時間を、ただ自らのことに使うことが許されるわけはない。まして自分の欲望のため、罪のない命を徒に生み出すなど、生命への冒涜であり、人間に許される範囲を超えている。しかも重い障害があることは産む前から知らされていた。勝手につくり出され、何度も大きな手術を施され、先は見えず、そして最初から衆人環視の目に置かれた子供が不憫でならない。普通の母親であれば、そんな子供に代わってやりたいと思うだろう。もう痛い思いをさせたくないと涙を流して嘆願するだろう。もちろん衆人の目にさらすなどは決してさせないだろう。親になるということは、その子供の将来に責任を持ち、義務を背負うことなのだが、そんなことすら分かっていようとは思えない。こういう番組を製作し、独占の電波を利用して流す報道局の倫理観は一体どうなっているのだろう。近頃、最も不愉快な出来事というべきである。

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