初の女性総理が誕生しました。

高市早苗さんは神戸大学の後輩である。法学部と経営学部だし、6歳違いなので、知ったのは私が98年に参院議員になってからである。国会議員会館内の自民党議員各事務所に挨拶に回った際、奥から勢いよく飛び出してきて、「あーら、お姉様。お待ちしておりました!」と元気よく言われた初対面の印象が強烈である。自民党本部でばったり出会うと、「いつもスタイルがおよろしくて」と言われたりした。油断していると太る体質だとのこと(普通そうだろう)、しかし今はずいぶん痩せている感じがする。神戸大学の総理といえば、例の(!)宇野宗佑氏が最初かつ唯一(神戸大学前身の神戸商大であり、中退である)だったのが、2人目が誕生するとともに、初の女性なのだから、神戸大学同窓としては大変に名誉なことである。

高市さんに関する6年間の思い出としては、夫婦選択的別姓制度導入の際に徹底的に抗戦された記憶が鮮明すぎて、他にはあまりない。夫婦同姓になぜそれほどこだわるのか。この国で一般庶民に姓が許されるようになったのは明治以降であり、その以前姓のあった階級については夫婦別姓であった。今回、女性トップは北条政子以来だと言われてなるほどと感心したが、北条は生家の姓であり、婚家の姓を名乗るのであれば源政子になる。なお高市さんは山本拓元衆議院議員(福井選出)と結婚していたが離婚し、数年前に再婚した際、夫を高市姓としたそうだ。でなかったら、高市は通称名となり、公職にあってずいぶん不便なことになったであろう。

バタバタしていたのがいくつか片付き、ちょっと余裕が出来て、ブログを書いている(今日は金曜だ、嬉しい…)。今月は4日の総裁選で小泉さんが負けて高市総裁が誕生し(初の女性総裁)、10日にはこれまで26年連立を組んできた公明党が突如、離脱した(98年の参院選で自民党が過半数割れを起こしたために連立を組むことになったのである)。すると、国民民主の玉木氏が立憲民主党らに担がれて野党内閣が誕生するのではないかと思われたのだが一転、高市さんは維新を引き込むという素早い行動力を見せつけた。決断できない玉木氏との何たる違いであろう。そして無事に21日、衆参で首班指名を受けた。いずれにしても、日本初の女性総理が誕生して、日本の国際的地位もずいぶん上がったのではないかと思う。アメリカやフランスにはまだ大統領が誕生していないのである。あとは国内政治と外交を迅速に前に進めて、実績を上げてもらいたいと切に願っている。

9月末、参院時代から仲良くしていた女性議員が亡くなり、今月5日、茨城まで葬儀に出かけた。大勢の列席者がいたが、報道によれば1200人にも上ったという。3期15年の議員生活(亡父も亡夫も国会議員であった)。享年90歳。亡くなる前日には親類の披露宴に出席し、翌朝静かに亡くなったという。まさに「ぴんぴんころり」、皆が心から理想とする死に方であった。望んだからといって出来るものではないが、お別れができなかったからであろうか、娘さんはずっと泣いておられた。故人はまったく家事などしない人だったが、娘さんにも、同居していた息子さんにも慕われていた。私はかなり親しい付き合いをしていて、亡くなる少し前まで電話をしたりメールのやり取りをしていたし、たまに上京されるときに会えるのを楽しみにしていた。亡くなるとやはり寂しいものである。

未亡人は珍しくないが、奥さんに先立たれた老男性も結構おられる。家事が出来なくて大変だろうと思うが、たいてい一人暮らしである。幸い娘さんと同居している方もおられるがそれはレアケースで、息子に至っては嫁さんが嫌がるからであろう、ほぼ皆無だ。70歳定年まで最高裁判事をされて最高の勲章を授章された方が奥様に先立たれたのこと、「どうされているのですか」とおそるおそる聞いたら、一人暮らしだと(司法修習の時に自宅によばれたことがある、子供さんはおられた)。食事は?と聞いたら、「コンビニがあるのでなんとかなるが、それよりも話し相手がいないのが寂しい」と。女性と違い男性には気軽な友達などあまりいないし、家事が出来ないのだから、全体に老後は悲惨であろう。その方を最近見かけないと思ったら、亡くなったそうである。孤独死でなければよかったのだが。まだ70代の男性(元最高裁判事)は、妻を3年ほど前に亡くした後一人暮らしだが、腰も悪いし、電球を取り替えることも出来なくて便利屋に頼んだとのこと(賃貸マンションだと管理人に言えばなんとかしてくれるのだろうが)。これが未亡人であれば子供はわりと同居してくれるらしい。女性は育児家事をするし、自分のことは自分で出来るし、男性と違って場所を取らない(嵩張らない)。もっとも未亡人は自ら気軽な一人暮らしを望む場合が多いと思われる。

年を取るということは、なかなかに大変なことである。私自身は幸い料理はじめ家事はできるし、これといった悪い所はなく健康なので、仕事も生活もこなせているが、周りを見ていると、いろいろ考えさせられる。まあいい、あまり深刻に考えてもどうなるか先は読めないのだし、毎日を大事に過ごそうと思う次第である。

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